2006年3月、「利益に波って出るね〜。」少しうつむき加減で、かみ締めるように社長は話した。その会社は、地場ではTVCMも行う優良企業。創業以来赤字はなし、バブル崩壊後も4000万以上の申告をしていた優良企業の社長の言葉である。 世間的には、「バブル崩壊後、株価も上昇。景気は上向きで、大手企業では数千人単位での雇用を行っている。」このような時期に、この企業が赤字を出すということが本当に意外であった。そして、この一言「利益に波って出るね〜。」 「含み資産形成対策」を各企業に推奨して全国行脚の毎日。「企業には利益に波がでます。この利益を平準化できるような対策をしましょう。10年ひと昔、よい決算を迎えられるからこそできる対策です。」と呪文のように話をしている毎日。しかしこの当たり前の一言が頭を離れず、「利益に波が出るのは当然のこと。どのような原因があったのだろうか?」このことばかりを考えて、帰路に着いた。そこで考えた「利益の波リスク」。1枚の紙に走り書きをしてみる。すると
| 1.お客様数減少リスク |
6.公共事業経審リスク |
| 2.取引先集中リスク |
7.為替リスク |
| 3.取引先コスト削減要求リスク |
8.内部崩壊リスク |
| 4..取引先倒産リスク |
9.健康リスク |
| 5.市況変化リスク |
10.銀行取引停止リスク |
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数え切れない「利益の波リスク」の数々・・。「これらのまだ見ぬリスクと戦いながら、企業は存続し発展していかなければならない。大変なことだ。」あまりのリスクの数に途中でペンを置いた。そのとき、フッと何かが「腹に落ちた」。経験したことのない、妙な感覚だった。「そうか。だからこそ含み資産が必要なのだ!」
先の企業もそうだった。東京進出で思わぬ巨大な出費。利益もすぐには出てこない。もしかすると失敗に終わるかもしれない。でも、この会社には「含み資産」がある。今期も一部を取り崩した。万一、失敗しても「含み資産」を取り崩せば、今までの利益には全く影響しない。これがあればこそ、経営の自由度は広がり、攻めにもいける。「私の推奨してきた含み資産が、お役にたてた。すばらしい対策を提案しているのだな。」少し自画自賛ぎみに興奮しながら、「利益の波リスク」の数々を眺めてみると、そのほとんどが「含み資産の形成」でヘッジできるものばかりであったことに改めて驚くとともに、誇りを持てた瞬間でもあった。
私が改めて「腹に落とす」ことができた、「利益には波が出る。」というごく当たり前の事実。先の会社のように、「守りについては最高の環境を持っている。さぁ、ここからが勝負。」というときに最大の効果を発揮するのが「含み資産」なのだ。
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